今回のテーマはゴルフ後のアルコール摂取です。

ゴルフのラウンド後にアルコール摂取をすると、ゴルフによる身体活動のメリットはラウンド後のアルコール摂取で相殺されるのか?ということです。
ゴルフ自体は運動として素晴らしいものではありますが、ゴルフを楽しまれる多くの方がラウンド後にアルコール摂取をするというデータがあり、ラウンド後にアルコール摂取をするのは、身体にとってプラスなのか?マイナスなのか?プラスマイナスゼロなのか?を考えてみたいと思います。
以前の記事、忘年会シーズン:アルコールとの付き合い方はこちら

研究
調査対象者は、米国のインターネット調査パネルに登録されている18〜70歳のゴルファーで、性別は半数が男性、人種/民族は75%が非ヒスパニック系白人、25%がヒスパニックまたはマイノリティーとなるように意図的にサンプリングされた。2019年6~8月の間に、18ホール以上プレーしていることを適格条件として行われました。
最終的な回答者数は338人で、米国全土から回答されており、年齢46±14.4歳、男性が51.2%、非ヒスパニック系が90%、白人が81%でした。
なお、アルコール摂取量は、過去1週間に摂取したサービング数で回答してもらいました。
回答の範囲は0~15以上にわたり、女性は7サービング/週、男性は14サービング/週以上を「中程度(適量)のアルコール摂取」と判定しました。
また、ゴルフの動機は任意で回答してもらい、主成分分析により、「社会的ステータス」「健康増進」「楽しみのため」「スキル向上」という4項目に分類され分析されました。

身体活動量については、国際標準化身体活動質問票(International Physical Activity Questionnaire Short Form;IPAQ-SF)にて評価し、週に150分以上の中強度運動または75分以上の高強度運動を行っている場合に、「身体活動ガイドラインの推奨を満たしている」と判定しました。

結果
参加者の84%はアルコールを摂取し、全体の平均摂取量は6.8±7.3サービング/週であり、約4分の1の参加者が「適量」の上限を超えて摂取していた。アルコールを摂取する人の平均摂取量は7.91サービング/週であり、これをエネルギー量に換算すると、1週間に755kcalをアルコールから摂取していると考えられた。

大半のゴルファーは、身体活動ガイドラインの推奨を満たしていました。
身体活動量の平均は98.5±92.4Mets・時/週であり、大半(86%)の参加者がガイドラインの推奨を満たしていました。

次に、アルコール摂取量と関連する因子を検討すると、身体活動量が多いほどアルコール摂取量が多いという有意な関連が認められました。

具体的には、1週間あたりの歩行時間が多いと、1週間あたりのアルコール摂取量が7.30倍になっていました。また、中~高強度運動が多いと、アルコール摂取量が5.04倍に、総身体活動量多いと、アルコール摂取量が4.14倍になっていました。
続いて、ゴルフを行う理由とアルコール摂取量との関連を検討しました。ゴルフを行う理由については前述のように、主成分分析で示された「社会的ステータス」「健康増進」「楽しみのため」「スキル向上」の4項目で評価した。

解析の結果、これら4つの理由の中で、アルコール摂取量と有意な関連がある理由は「社会的ステータス」のみでした。具体的に、社会的ステータスが「重要でない」を0点、「非常に重要」を5点として選んでもらった回答から、その点数が1点高いごとにアルコール摂取量が1.60倍になっていました。

結論
まとめると、全米の性別や人種/民族を人口比にあわせて意図的に調整したサンプルを対象とする調査の結果、ゴルファーはアルコール摂取率が高く、また身体活動量が多いゴルファーほど摂取量が多いことがわかりました。一方、スポーツとしてのゴルフへの関心の強さはアルコール摂取量と関連がありませんでした。ただし、社会的ステータスに動機付けられたゴルファーは、他の動機によりゴルフをしている人よりも、アルコール摂取量が多かったということです。

ゴルファーのアルコール摂取は、エネルギーの不均衡と体重増加を促進し、身体活動による肥満や癌の抑制効果の一部を相殺する可能性があると懸念があります。
出典:Alcohol Use as a Function of Physical Activity and Golfing Motives in a National Sample of United States Golfers
こちらのデータは米国のものですが、日本でも同様のことが言える可能性があります。
社会的ステータスに動機付けられたゴルファーは、アルコール摂取による摂取カロリーの増加が起きる可能性があるので、ゴルフによる身体活動メリットを上回るデメリットを被るかもしれません。
ちなみにゴルフによる身体活動メリットとは

  • 有酸素運動: コースを歩くことで心肺機能が向上し、カロリー消費も促進されます。
  • 筋力と柔軟性: スイングで体幹や下半身が鍛えられ、柔軟性も向上します。
  • メンタル面: 自然の中でのプレーがリフレッシュ効果をもたらします。

アルコール摂取によるデメリットは

  • 身体への影響: 肝臓や心臓、胃腸に負担をかけ、免疫力を低下させます。
  • メンタルヘルス: 依存症や気分の落ち込みを引き起こす可能性があります。
  • 運動や健康への悪影響: 筋肉の回復を妨げ、脱水や肥満の原因になります。
  • 睡眠の質低下: 入眠は助けますが、深い睡眠を妨げます。

アルコール摂取量が増える毎に、健康面にはマイナスですので適量を心がけることが大事ですね。適量の目安

  • 男性:1日20~30gのアルコール(ビール中瓶1本、ワイングラス2杯程度)
  • 女性:1日10~20gのアルコール(男性の約2/3)
  • ※飲酒量には個人差があります。年齢、体重、体調などを考慮してください。

今日も素敵な1日になりますように。

 

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