今回のテーマは、運動時の水分補給です!
前回の、日常生活における水分補給の大切さはこちら。
運動時の水分補給
運動時の水分補給は、パフォーマンス維持と脱水・熱中症の予防に非常に重要で、運動中は汗で水分と電解質(ナトリウムなど)が失われるため、単なる水だけでは不十分といえます。
それでは、運動前、運動中、運動後の水分補給を考えてみましょう。
【運動前の水分補給】
◎ 目安
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運動の2〜3時間前にコップ1〜2杯(約500ml)
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運動直前にコップ半分(約200ml)
◎ 飲み物の種類
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普通の水、または軽いスポーツドリンク(糖分が少ないタイプ)
【運動中の水分補給】
◎ 目安
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15〜20分ごとに100〜200mlが目安(激しい運動の場合はもう少し多めに)
◎ 飲み物の種類
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1時間以内の軽い運動(ウォーキング・軽い筋トレなど)
→ 水または薄めたスポーツドリンクで十分。 -
1時間以上の運動、または汗を大量にかく運動(ランニング・バスケット・サッカー・HIITなど)
→ 電解質(ナトリウム・カリウム)を含んだスポーツドリンクがおすすめ。
✅ 注意点
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一度に大量に飲まず、少量ずつこまめに摂る。
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のどの渇きを感じる前に補給するのがベスト。
🔴【運動後の水分補給】
◎ 目安
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体重1kg減るごとに約1.2〜1.5Lの水分が必要(汗で失った分を補うため)
◎ 飲み物の種類
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スポーツドリンク、経口補水液、水+塩分を含む食べ物など
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※冷たすぎる飲み物は胃腸に負担をかけるので、できれば常温か少し冷たい程度が望ましい
豆知識:汗で失われる主な成分
成分 役割 補給手段 水 体温調節、血液の流れを保つ 水、スポーツドリンクなど ナトリウム 神経伝達、筋肉の動き 塩、スポーツドリンクなど カリウム 筋肉の動き、心拍の調整 バナナ、スポドリ、果物など マグネシウム 筋収縮、疲労回復 ナッツ、豆類、サプリなど
脱水症状になると
脱水症状は、体内の水分や電解質(ナトリウム・カリウムなど)が不足した状態であり、身体や脳のあらゆる働きに悪影響を与えます。
軽度でもパフォーマンスが下がり、重度になると命にかかわることもあります。
【軽度の脱水(体重の1〜2%水分減少)】
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喉の渇き
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軽い頭痛
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口の中が乾く
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集中力の低下・ぼんやりする
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パフォーマンス(運動や仕事)の低下
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便秘・肌荒れ
この段階ですでに体力や判断力に影響が出始めます。
【中等度の脱水(2〜5%水分減少)】
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めまい、立ちくらみ
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筋肉のけいれん(こむら返りなど)
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倦怠感・だるさ
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頭痛の悪化
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尿量の減少・色が濃くなる
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体温調整がうまくいかず、熱がこもる
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イライラ・混乱
日常生活にも支障が出始め、熱中症リスクが高まる段階。
【重度の脱水(5%以上の水分減少)】
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意識障害(意識がもうろうとする)
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極端な血圧低下 → ショック状態
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脳梗塞や心筋梗塞のリスク上昇
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けいれん、失神
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腎不全・臓器不全
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最悪の場合、命に関わる
このレベルになると緊急の医療対応が必要です。
もし脱水症状や熱中症になった場合の対応
【軽度の脱水・熱中症の初期症状】
主な症状
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めまい・立ちくらみ
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頭痛
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喉の渇き
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倦怠感
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筋肉のけいれん(足がつるなど)
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体温は高いが、意識ははっきりしている
対応
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涼しい場所に移動(室内や日陰)
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衣類をゆるめて熱を逃がす
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水分と塩分の補給
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スポーツドリンク、経口補水液(OS-1など)が効果的
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氷・保冷剤で首、脇の下、太ももの付け根を冷やす
数分で回復しない場合は、医療機関を受診。
【中等度~重度の症状(熱中症Ⅱ〜Ⅲ度)】
主な症状
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意識がぼんやりする、返事があいまい
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吐き気・嘔吐
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高体温(39℃以上)
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まっすぐ歩けない、ふらつく
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汗が出ていない、または異常な大量の汗
対応(応急処置+すぐに医療機関)
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すぐに119番通報(救急車)
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意識があるなら水分補給(できれば経口補水液)
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服を緩め、体を冷やす(氷・水・うちわ・扇風機などを併用)
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できるだけ寝かせて安静にする
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足を少し高くして血流を保つ
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⚠️ 意識がない場合は絶対に口から飲ませてはいけません(窒息の危険)
【意識がない・けいれんしているなどの緊急状態】
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これは命の危険がある状態(熱中症Ⅲ度)です。
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すぐに119番通報し、救急車を呼んでください。
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応急処置(冷却・安静)をしながら救急隊を待ちましょう。
覚えておきたい3つのキーワード
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「涼しい場所へ」
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「水分+塩分補給」
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「冷やす(首・わき・脚の付け根)」
これからの時期、暑さがどんどん増してきますので、運動する際の水分補給をしっかり覚えておきましょう!
今日も素敵な1日になりますように。