今回は忘年会シーズンを乗り切る!というテーマで考えてみたいと思います。
12月は忘年会、会食、家飲みなどが続き、「気づいたら体重が増えていた…」
という声が最も多くなる季節です。
ですが実は、忘年会=太る ではありません。
体重が増える人と増えない人の違いは、お酒・食事・その後のリカバリー をどう考えているか。
パーソナルトレーナーの視点から「我慢しない」「現実的」「科学的」な忘年会対策をシリーズでお伝えします。
目次
忘年会シーズンに知っておきたい
「お酒はなぜ太りやすいのか?」の本当の理由
〜アルコール代謝と体脂肪の深い関係〜
12月は忘年会、会食、家飲みと
一年の中でもっとも お酒を飲む機会が増える時期 です。
「食事量はそこまで変わらないのに体重が増えた」
「年末になると毎年太る」
こうした現象の背景には、アルコール特有の代謝の仕組み が大きく関係しています。
お酒は「カロリーが高いから」太るわけではない
まず誤解されやすいポイントから。
確かにアルコールは
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1gあたり 約7kcal
と、糖質(4kcal)やタンパク質(4kcal)より高カロリーです。
しかし、お酒が太りやすい最大の理由は「カロリー」だけではありません。
問題は、体内での代謝の優先順位 にあります。
アルコールが入ると、体は「脂肪を燃やすのをやめる」
人の体は、エネルギー源を同時にすべて処理できません。
アルコールを摂取すると、体はこう判断します。
「これは毒性がある。最優先で分解しなければならない」
その結果、
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脂肪の燃焼
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糖質の利用
これらは 一時的にストップ します。
つまり、
👉 飲んでいる間、脂肪は燃えない状態
ここが最大の落とし穴です。
アルコール代謝の流れ(ざっくり解説)
① 肝臓で分解が始まる
アルコールは主に 肝臓 で代謝されます。
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アルコール
→ アセトアルデヒド(有害)
→ 酢酸
→ 水と二酸化炭素
② 肝臓はフル稼働状態に
この分解作業はかなりのエネルギーと優先度 を要します。
その間、
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脂肪を分解する余裕がなくなる
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糖質も使われにくくなる
結果として、
👉 余った糖質・脂質が体脂肪として蓄積されやすくなる
「飲みながら食べる」が最も太りやすい理由
忘年会で起きがちな状況を想像してみてください。
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お酒を飲む
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同時に揚げ物や炭水化物を食べる
この時、体内では
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アルコール:最優先で分解
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食事由来の脂質・糖質:後回し
後回しにされたエネルギーは、
👉 体脂肪として保存されやすくなる
これが「飲み会=太る」と言われる最大の理由です。
アルコールは食欲と判断力も狂わせる
食欲が増す理由
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アルコールは血糖コントロールを乱す
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食欲を刺激するホルモン分泌が増える
結果、
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普段なら満足する量でも足りなく感じる
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「もう一品」が増えやすい
判断力が下がる理由
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前頭葉の働きが低下
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抑制が効きにくくなる
👉「今日は控えよう」が「まあいいか」になりやすい
睡眠の質低下も、太りやすさに直結する
お酒を飲むと、
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寝つきは良くなる
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しかし 深い睡眠が減る
その結果、
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成長ホルモンの分泌低下
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回復・脂肪燃焼効率が下がる
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翌日の食欲が乱れる
👉飲酒 → 睡眠の質低下 → 代謝低下という負の連鎖が起こります。
それでも「飲む」なら知っておきたい現実的対策
太りにくいお酒の選択
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ハイボール
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焼酎(水割り・お湯割り)
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ウイスキー
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辛口ワイン(適量)
※ 糖質が少なく、血糖変動が小さい
飲み方の工夫
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チェイサー(水)を必ず挟む
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ダラダラ飲みを避ける
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飲む量を最初に決める
食事との組み合わせ
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タンパク質を先に
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揚げ物・炭水化物は後半・少量
忘年会シーズンの正解は「我慢」ではない
忘年会シーズンに大切なのは、
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飲まないこと
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楽しめないこと
ではありません。
体の仕組みを理解し、選び方を変えること。
お酒の代謝を知るだけで、
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太りやすさ
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翌日の体調
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年末年始の体重変動
は大きく変わります。
次回予告(シリーズ②)
次回は「忘年会の食事で太る人・太らない人の決定的な違い」
を、具体的なメニュー例とともに解説します。
今日も素敵な1日になりますように!