今回のテーマは三大栄養素の一つ「タンパク質」です。

まずタンパク質とは何か?
タンパク質は20種類のアミノ酸がペプチド結合して構成される高分子化合物です。
アミノ酸とアミノ酸との結合をペプチド結合といいます。
炭素、水素、酸素原子からなる化合物で必ず窒素も含んでいます。
アミノ酸が2個結合したものをジペプチド、3個結合したものをトリペププチド、100個までの結合をポリペプチドと言います。一般にそれ以上の結合をタンパク質といいます。
なので多くのアミノ酸が集まったものがタンパク質ということですね。
表はアミノ酸の種類と必須アミノ酸、非必須アミノ酸を示したものです。
必須アミノ酸は体内で作る事が出来ず、食物やサプリメントから摂取することが必要です。

アミノ酸20種類
必須アミノ酸 非必須アミノ酸
バリン グリシン
ロイシン アラニン
イソロイシン セリン
トレオニン アスパラギン酸
リシン グルタミン酸
メチオニン アスパラギン
フェニルアラニン グルタミン
トリプトファン アルギニン
ヒスチジン システイン
  チロシン
  プロリン

タンパク質=「筋肉」をイメージする方も多いかも知れませんが、タンパク質は筋肉の構成成分である以外に酵素やホルモンの成分にもなっています。
実は筋肉中にタンパク質は20%程度しか含まれていないのです。ほとんどは水分です。
ただ、逆に考えると水分を除くとほとんどはタンパク質なので、筋肉を付けるためにはタンパク質の摂取はとても重要です。
摂取したタンパク質は、アミノ酸に分解されて吸収され、体内で再び必要なタンパク質に作り直されます。

どのくらいタンパク質を摂れば良いのか?
タンパク質を沢山摂れば良いというわけではありません。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」では、成人で1日に体重1kgあたり0.66g摂取としています。運動量や時間、強度などで必要な摂取量は変わってきます。
こちらの表を参考にしてください。

身体活動状況 体重1kgあたりのタンパク質摂取量
軽度の運動 0.8~1.0g
高齢者で軽度の運動 1.0~1.2g
中強度の運動 1.0~1.5g
高強度の運動 1.5~2.0g
持久系のトレーニング 1.2~1.4g
筋力トレーニング 1.6~1.7g

国際オリンピック委員会は、タンパク質の摂取量について、2~3g/日を超えて摂取しても筋合成などによい影響を与えるという明確なエビデンスはないと言っています。
過剰摂取は身体でどのような事が起こるか考えてみます。
①タンパク質は100以上のアミノ酸が結合して出来ている為、多く食べると消化や吸収に時間がかかる。
②アミノ酸の分解は肝臓内で炭素、水素、酸素でできている部分(炭素骨格)と、窒素含んでいる部分(アミノ基)の大きく2つに分けて行います。炭素骨格は、食後の糖質摂取が充実していれば脂肪酸を作ります。その脂肪酸3分子がグリセロールという糖質と結合して中性脂肪になります。よってタンパク質の摂り過ぎは太る可能性がある。
③アミノ酸から切り離されたアミノ基はアンモニアになります。アンモニアは毒性が強く、血中アンモニア濃度が高くなると昏睡状態になり、死亡することもあります。そこで肝臓でアンモニアを無毒の尿素に分解する(尿素回路)ため、タンパク質のを取り過ぎると肝臓の仕事が増える。
④尿素回路によって生成された尿素は、血中に流され血中の尿素濃度が高くなりすぎないように腎臓で排泄する事で調節しています。ということはタンパク質を摂り過ぎると腎臓の仕事も増える。
このように過剰摂取すると肝臓、腎臓の負担をかけてしまいます。

タンパク質は我々の身体とって重要な栄養素ですが、取り過ぎると逆に健康を損なう恐れがある事も覚えておいてください。

次回は脂質についてお話しますね。
今日も素敵な1日になりますように。

PFCバランスに関してはこちらをご覧ください。

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